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福沢諭吉の広告文(引札)
福沢諭吉先生がしばし当館にご来遊された折、ご自分で書かれたものです。
逐日炎暑の候に相成、
御客様益御機嫌能遊御座恐悦至極に奉存候
過般も廣告を以って御案内申上候通り、
当温泉場の義は箱根七湯の中にて山浅からず深からず、
小田原の市を去ること二里足らず
東海道の湯本宿より僅か二、三丁を入込候一区の仙境にて、
従来の便利は神奈川より馬力、人力車数時間の事に候得ば
途中御小休の個処も少なく速に当処御着の上、
温泉の清潔は七湯中第一と乍憚自負仕候程にて、(中略)
御無沙汰次第にて如何様と調進可任、
殊に近年田舎地方は不景気に準じて物価非常の下落、
随ては私共用相勤候にも却て心配少なき有様に相成候義に付
何卒本月暑中は東京横浜等の御住居を基儘仙境へ御移りの御思召を以って
御家族様同道にて御賑々御来浴奉願上度
最早暑中御休暇の時節も近付づき候
間態と重ねて御案内申奉上候

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